外国贈収賄の通報

外国公務員には、外国政府の事業に携わる様々な人が含まれます。これには外国政府職員、外国の司法官、外国政府が管理、または保有する企業の職員、また、公的国際機関の職員などが含まれます。

贈収賄や不正行為には多様な形があり、これは、外国贈収賄についても同様です。 簡単に言えば、外国公務員に何かを提供し（直接、または間接、例えば職員の家族に提供される場合など）、その見返りとして、してはいけない行為をさせたり、するべき行為をさせないようにすることです。

ニュージーランド人が関わる外国贈収賄の例としては以下のようなものがあります。

·         ニュージーランド企業のコンサルタントが製品を無料で提供し、外国の税関職員に商品輸入に関する特定の規定要項を免除してもらう。

·         ニュージーランド企業の従業員が外国の地方自治体職員の息子に雇用機会を紹介し、見返りとしてその地方での営業許可を発行してもらう。

·         ニュージーランド企業の契約を確実にするために、その企業の代理店が外国の国有企業の調達責任者に金銭を支払う。

·         競争入札における他の入札者に関する情報を外国公務員がニュージーランド企業に提供し、見返りに新車を受け取る。

 

民間の商取引で起こり得る贈収賄の例としては以下のようなものがあります。

·         ニュージーランド企業の社長が外国企業の調達責任者をニュージーランドに招待する手配をし、一般競争入札中の現地訪問の費用をすべて負担する。 この訪問には、高級ホテルでの何泊かの滞在と、ラグビーのチケット、またカジノで利用するための現金が含まれる。このニュージーランド企業は契約を獲得する。

·         ニュージーランド企業の販売担当者が外国企業に商品の購入認可をしてもらうために、リベートを払うことに同意する。

以下のような状況に気づいた場合は、外国贈収賄が起こっている危険があると思ってください。 それぞれ単独では必ずしも不正の要因となっているとは言えないものの、危険信号がいくつか見られる場合は、高レベルでのリスク認識が必要であることを意味します。

金銭上の危険信号

·         海外の第三者またはコンサルタントに対する原因不明の高額の支払い

·         海外の口座、またはペーパーカンパニーへの支払い

·         書類が曖昧な、または書類が存在しない取引

·         サービスに対する水増し請求書、または過剰な支払い

·         多額の現金取引、または現金払いの請求

 

行動や取引関係上の危険信号

·         取引相手や代理店が商取引の詳細提供を拒否

·         第三者や非関連口座を通してのルート決済の請求

·         通常と異なる秘密主義、または財務実績開示への抵抗

·         特定の契約に関しての高レベルでの裁量権の要求

·         外国の職員による追加費用の請求

·         第三者やコンサルタントによる説明のない追加費用の請求

 

経営上の危険信号

·         競争入札プロセスを通さない契約

·         契約遂行能力が見られない団体との契約

·         政府職員との頻繁な、もしくは監視の届かない場所でのやり取り

·         適正調査を通さず外国の代理店やコンサルタントを雇用

·         外国の職員に与えられる過度の贈答品、旅行、または接待

·         高リスク国における事業の成功の急激な増加

外国贈収賄は適正競争を歪め、民主主義と組織への信頼を脆弱にし、生活の質を低下させます。 事業取引のコストを押し上げ、組織的犯罪やその他の安全保障への脅威の増長を促進します。 外国贈収賄は世界中の国で起こっていますが、特に発展途上国では影響が深刻で、外国贈収賄によって不平等や不正が増長され、貧困の緩和や生活水準の向上に対する努力が水の泡となってしまいます。

外国贈収賄を通報することは、以下の事柄を助けるということです。

·         ニュージーランドのビジネスの公正さに対する評価を維持

·         公正な取引と投資の機会をサポート

·         不正行為に対する世界規模での取り組みの強化

 

あなたの声が大切です。外国贈収賄に関する情報をお持ちの場合は、声をあげてください。不正行為に反する立場をとることで、公正で誠実な国際的なビジネス環境を確実にする手助けができます。

自分の職場に関連する外国贈収賄への苦情をSFOへ訴えた方は、2022年施行情報開示保護法（通報者保護、以下「本法」）に記載されている開示者保護体制の対象となることがあります。本法は重大な不正行為を善意で通報した個人に対して、守秘義務と報復からの保護を提供するものです。

本法による保護の資格がある方も、SFOの外国贈収賄通報ツールを利用し、さらに匿名で通報をすることができます。通報者の匿名性を維持するためにも、団体内でのあなたの役割を明らかにしたり、さらには身元がわかったりしまうような情報は提供しないでください。代わりに、SFOのウェブサイトに設定されている仕組みを利用して、内密の通報をしていただくことができます。

職場での重大な不正について安全に開示するためのさらに詳しい情報はこちらからご覧ください。